トイレトレーニングからしつけが始まる

しつけを始めるタイミング

子育てでは、どのように行っていけばいいのか悩むことの一つがしつけだと思います。
また、どのタイミングでしつけを始めるのが良いのかも迷うところでしょう。

しつけを始める時期としての目安は、おしめを取る準備を始める頃がちょうど良いくらいです。
この頃までは、生命に危険の及ぶ事と他人に迷惑を及ぼす事以外は、「ダメ」といって止めること
はできるだけ少なくして下さい。

物事の分別がつかない時から、あまり禁止事項をたくさん設けて接していると、何かを行う際に
自信を持って行動することができない人になってしまいます。
トイレトレーニングをしつけの始まりとし、そこから少しずつ子供のペースに合わせ、しつけの
幅を広げていって下さい。

トイレトレーニングで我慢することを教える

では、トイレトレーニングについて説明したいと思います。

トイレトレーニングの目的は、おしめを取り排泄をトイレで行えるようになるということ
だけでなく、正しく我慢や辛抱を身に付けさせるということでもあります。
トイレトレーニングによって、『~したいという欲求』を我慢する訓練を行う事で、我慢
や辛抱のできる子になるのです。

間違ったトイレトレーニング

よく間違ったトイレトレーニングをしてしまいがちですので、その間違いの例を取り上げ
たいと思います。
まず1つ目のパターンは、子供から「オシッコがしたい」と意思表示がないのにトイレに
連れて行って「オシッコしなさい」と促す方法です。

この方法は、我慢と辛抱を身に付けるという目的から考えるとまったく意味がありません。
子供の「オシッコがしたい」という意思表示があって、それをトイレまで我慢させて排泄
をさせるから我慢する力が身につきます。

もう1つの間違いの例は、子供に「オシッコは?」「ウンチは?」と『したいという欲求』
が見受けられないのに、何度も聞くということです。
何度も親に急き立てられていると、大人になっても何かを異常に気にしてしまう神経質
な人間になってしまいます。

さらに、親に促されてトイレに行っても出なかったのに、便器から離れた直後やトイレ
から出て数分後にお漏らしをして怒られるというようなトイレトレーニングを受けると、
自尊心が上手く育ちません。
今までおむつの中で漏らしていても怒られなかったのに、急に怒られるようになると、
この頃の年齢の子供は当然混乱します。
自分が一体何が理由で怒られたのかが良くわからず、失敗するということに対しての
強い抵抗や恐怖心だけが残ってしまいます。

このように、トイレトレーニングは人間の感情の作用と深く関係しています。
自分の子供が、神経質やケチな子にさせてしまわないように、その子に合ったペース、
正しい方法でトイレトレーニングをしてもらいたいと思います。
では、次はお勧めのトイレトレーニングの方法について説明していきます。

正しいトイレトレーニングは我慢する力を養える

正しいトイレトレーニングは、子供が『したいという欲求』を訴えてきた時に、その欲求を
トイレまで我慢させ、上手に排泄ができたら思いきり褒めてあげることです。

まず『したいという欲求』を我慢することは、我慢するということが時には必要だということ
を身をもって体験する訓練です。
そして排泄の後に、我慢できた事を褒めてあげる事で『我慢する事』と『褒められる事』を
一緒に体験しますので、子供は「我慢する事は良い事だ」と思い、我慢と辛抱のできる子供に
育つのです。

 

具体的なトレーニングの方法としては、最初に『オシッコやウンチはトイレですること』
だと認識させてあげることから始めて下さい。
親がトイレに行く時に、そのことを子供に告げてから行くということを繰り返して、
「気持ちがいい」とか「スッキリした」ということを子供に伝えて下さい。
子供は親のすることを真似たがります。

上記の様なことを何日か続けた後に、「トイレに行ってオシッコしてみる?」と聞けば、
大概は「うん! する。」と言うでしょう。
こういったことを続けると、子供は何回かに1度はオシッコをするので、その時に思い
きり褒めてあげましょう!

そのうち、子供からオシッコに行きたいと意思表示をしてトイレに行き、ちゃんとトイレ
でオシッコをするようになるので、それが何度か続き、おしめを濡らさないようになって
くれば、おしめを取ってあげる時期です。

子供が自分からオシッコしたいということに気がつくのには個人差があります。
慌てておしめを取ろうとしなくても、脳に障害がない限り子供の成長段階で、必ずおしめ
は取れます。
おしめを取る時期にこだわるのではなく、トイレトレーニングを通じて何を子供に学ばせ
るのかということを大切にして欲しいと思います。

 

トイレトレーニングを始め、さまざまなしつけは、それを行う『タイミング』と『待つ』
ということが非常に重要です。
その子に合ったタイミングでしつけを始めたら、上手くできなくても、できるようになる
まで根気強く待つように心がけて下さい。