こんにちは、AXIAの阪田です。

毎日多くのニュースが報道されています。
辛いニュースを目にする事も多いですが、目をそらしてはいけないニュースも沢山あります。

今回はある報道番組の出演者であったフリージャーナリストの言葉に手が止まり、考えさせられた事を書かせていただきます。

子ども4人を自宅に放置し、両親が逮捕された事件をご存じでしょうか。
幼い子ども4人を自宅に残しパチンコ店に出かけ、約8時間後に帰宅した時は生後3か月の赤ちゃんの意識がなかったとのこと。
「生後3ヶ月」と「パチンコ」というキーワードが気になり、番組を拝見していました。

誰かを悪者(原因)にする討論に違和感

今回の案件は児童相談所が以前から関わりを持ち、電話や訪問を何度も繰り返していたという。
また地域住民からの通報により保護した過去もあり、両親がネグレクトに当たる事は明確でした。
しかし辛い結果となってしまいます。
スタジオでは児童相談所の対応の善し悪しについて議論されていました。
過去の事件より遙かに多い電話や訪問等の対応に関しても、数の多さがむしろ児童相談所の責任逃れの数値にしか見えない、といった意見まで出る状況でした。
モヤモヤとした気持ちで拝見していたところに「両親はギャンブル依存症だったんだと思う。依存症は病気です。両親が病気であることを誰かが気づいていればその場で保護する理由になったはずだ」と。

世間の依存症に対しての認知レベルは低い

この意見に反論する人、意見を述べる事ができる人は誰もいませんでした。
今後の児童相談所の対応にも関わる事項だったにもかかわらず、番組の時間上深く掘り下げる事なく終わってしまいました。
そのジャーナリストはこのようにも言っていました。
「アルコール依存症や薬物依存症はまだ判断がしやすいのかもしれない。ギャンブル依存症はその点難しい。しかしアルコールや薬物と同じレベルの依存症という病気と捉える必要がある。」

確かに逮捕された両親はギャンブル依存症だと私も見立てます。パチンコ屋ではよく見かけられたようですし、生後3ヶ月の赤ちゃんよりも優先される事がギャンブルという心理状態からみて、夫は重度のギャンブル依存症であり、妻は夫と共依存の関係だったんだと思います。

「依存症=病気」の認知が必要

依存症のメカニズムは解りやすく説明したとしても、現実味が無い限り頭には残らないでしょう。
カウンセリングの際も一度の説明ではなく、何度も方法を変えて説明していきます。
一般方に依存症の詳細を認知してもらうことは難しいことだと思います。
しかし「依存症は病気」との解りやすい言葉での周知のされ方をすれば、救われる状況は多いのではと思っています。
もちろん風邪のように薬を飲んで治る病気ではありません。
ただ、依存症は自分一人で治す事はできない病気なんです。

見立ての必要性を考えなければなりません

見立てとは、状況を観察、話しを聞き、相手の方が何を抱えているのかを見極める事です。
カウンセラーはこの見立てを誤ると、改善の道を閉ざしてしまう可能性もあり、重きをおいてカウンセリングに挑みます。
今回出演のジャーナリストの方は児童相談所の方々が見極める目が必要だと言います。
もちろん理想ではありますが、現実的ではありません。
やはり専門家との連携を図る事が、今後の改善の道ではないかとは思っています。