『待つ』という親の忍耐力

子供を『待つこと』を心掛ける

子供と接する際に重要なことが『待つこと』です。

待つことが必要な理由は、子供の成長を促す体験の機会を奪わないことが大切であること、
そして大人が待つことで子供に待つことの大切さを教えることが必要だからです。
子供の成長に欠かせないものには、さまざまな体験をすることと体験を通して得られる知識、
感覚、感情、記憶などです。
これらを成長過程で子供が得るためには、親が待つということが必要になります。

子供は何をするにしても無駄な動作が多かったり、手を止めたり、立ち止まったりして時間
がかかります。
しかし、大人がそれを待ってあげることができず、大人が先回りして子供の行動をフォロー
することは、子供が体験をする機会を奪ってしまっうことになります。
また、「何もたもたしてるの!」、「早くしなさい!」と何度も言われ続けて育つと、大人
になってからも、いつも何かに追われているような気分がとれない人になる人もいます。
幼い頃にたくさん聞いた親の言葉が、自分の行動を縛るメッセージとして定着してしまいます。

子供もいつかは大人になり、そして親になります。
自分が親になった時に子供に対して待つことができる親になれるように、親が子育ての中で
待つことの見本を見せてあげることも大切です。

待つことができる余裕づくり

子供と接する時、意識的に『待つこと』を心がけて下さい。
着替えたり、ご飯を食べたりするのも時間がかかります。
また、どこかへ行く際にもいきなり立ち止まったりします。

親が待つことを実践するためには、親自身が心にゆとりを持てるように、何かを行う際には
前もって時間を確保するような工夫も必要です。
意識するだけでなく、待てる時間や心の余裕を作るのです。

しかし、お母さんは子育てだけでなく家事にも追われ、余裕を作ることも難しい場合もある
でしょう。
そんな時はお父さんの出番です。
お父さんのサポートによってお母さんが子供のことを待つことができる時間と心の余裕を
作ってあげて下さい。

子供を待つ時間を作るには、夫婦の協力も不可欠です。
家事を分担しお母さんと子供がふれ合える時間を、お父さんの協力のもと作ることができ
れば、お母さんも子供を待つ余裕が生まれるのではないでしょうか。

いろいろ工夫しても、それでも子供を待つことが出来ない。
子供の行動をみていると焦ったり、イライラしてしまうという人は、なぜ自分は待てない
のだろう、自分は何にそんなに焦っているのだろうと自分の心に問いかけてみて下さい。
理由が分かるだけでも、少しは子供を待つ余裕が生まれます。

自分に問いかけても答えが見つからない場合、理由がわかっても心にゆとりが生まれない
場合はカウンセラーに相談してみるのもいいかと思います。