人間の心の発達

実は、人間の赤ちゃんは、同じ本乳類の猿、犬や猫、馬や牛の赤ちゃんに比べ非常に未熟な状態で生まれてきます。
それは、人間と猿を分けた進化の違いとして脳の発達があり、胎児の時点で他のほ乳類に比べ頭が大きいために、お母さんの体内に長くいれなくなったためだと言われています。

そのために、3歳位のある程度人間らしい体のバランスと機能になるまでに、体が急速な発達をしていきます。
それは、脳も例外ではないのですが、このページでは、そんな人間の脳の発達にともなった成長段階別の子育てについて書きたいと思います。

0歳~3歳までの子育て

0歳~3歳までは、子供の脳が急速に発達する段階で、他人とのコミュニケーションの土台となる感情交流の基礎だ作られる時期で、自分の感情を感じる力と、他人の感情を感じる力を養っていくことが大切です。 そのため、

・たくさん話しかけてあげること
・たくさんスキンシップをとってあげること
・あまり『ダメ』といって行動を制限しないこと
・成長を他の子供と比べないこと

などを心がけて欲しいと思います。

親子のコミュニケーションは、その後の人生の他人との関係性 の土台になるので、両親が心にゆとりを持って接してあげることが大切です。

しつけに関しては、自分や他人に危険を及ぼすようなことでない 限り、あまり厳しくする必要はありません。
命の危険に繋がるようなことに関しては、しっかりダメと伝えるようにして下さい。

あとは、離乳のタイミング、おしめのとれる時期、立ち始める時期、 言葉を話し始める時期を兄や姉、他の家の子供と比べずに、 その子のペースでできるようになるのを見守ってあげることが必要です。
そうすることで、育てる側も心に余裕も持てますので、育児は決して競争ではないということを頭に入れておいて下さい。

その他、注意することは、 子供は親の言うことをきかないものだという認識を持っておくということです。
0歳~3歳までの子供には、細かいしつけは十分に身に着く段階ではないので、ここで無理をする必要はないので子供が何かを上手くできないことを受け入れてあげて下さい。

細かいしつけは3歳以降から始めても遅くありません。

3歳~7歳までの子育て

3歳~7歳までの子育ては、正しい習慣を身につける時期であると言えます。
実は子供の脳神経細胞は、0歳~3歳にかけ急激に増えるのですが、3歳~7歳にかけては、少し減少する傾向にあると言われています。
これは、急激に増えた脳神経細胞の数の調整のためであり、今後のより良い脳の発達のためにおこる現象です。

そのため、3歳~7歳にかけて勉強をさせようとして、子供に多くの知識を詰め込みすぎたり、極端に成果を求めて何かをさせることは好ましくありません 3歳~7歳の時期は、今後の人生を生きるための習慣作りを行う時期なので、

・物事に感動すること
・物事の結果よりも、全力で取り組む事を大切にすること
・何事にも集中し、最後まで取り組むこと
・人を尊敬する気持ちを持つ事
・人の話を聞くこと
・『ダメな』、『何をやってもうまくできない』という否定を自分に向けないこと
・自分の失敗を認めること

などを習慣として身につけていくことが大切です。
上記のような習慣のいくつかは、遊びの中でも十分に身に付きますので、親がそれを意識して遊んであげて下さい。
また、『勉強しろ!』 と言うよりも、親が勉強をしている姿勢を見せてあげて下さい。

あと、子供の前で、または子供に向かって、両親はお互いの愚痴を言ったり、誰かの悪口を言わないこと、子供とのコミュニケーションの中で、親が悪かった時は素直に認め、謝りましょう。

3歳~7歳の時期には、親の見せる行動が習慣のベースとなるので、行動を示して、必要なところは言葉で補足して子供にいい習慣を身につけさせてあげて下さい。

7歳~10歳までの子育て

0歳~3歳までは、感情の豊かさを育てる時期で、3歳~7歳までは生活習慣の基礎を作る時期だと説明していましたが、7歳~10歳は、自我が強くなり始め、物事に対する興味、関心が高まってくる時期で、自ら何かをしてみたいという欲求が見て取れます。

この時期には、自分が何かすることで、物事は変化するんだという体験を積み上げていくことが大切です。
それも、できるだけ子供が興味を持ったことに、関わらせてあげることが望ましいと言えます。

人間のやる気、モチベーションというのは、自分が動く事で何かいいことがあるという想像をした時に高まります。
そのため、7歳~10歳の時に、何かに関心を持ち、それに取り組めば、楽しいこと、嬉しいことがあったという思いを重ねることが大切です。

また、7歳~10歳の時期は子供に、『あなたは、何かに取り組めば、いろんな良い事、嬉しい事を引き起こせる力があるんだよ』というメッセージを伝えて下さい。
そして、この時期は上記の事と同時に、『今のあなたは、できない事もあるんだよ。 でも、大人になるまでに努力していくとできるようになるんだよ』ということを伝えて頂きたいと思います。
このことは、全能感という子育てに大切な感覚を適切に育てるために必要なのです。

以上が、子供の脳のの発達にともなった子育てのポイントですが、子育ての参考にしてみて下さい。
ただ、実際の子育ては子供の気質(生まれつき性格)も関係してくるので、上記のことを踏まえた応用が必要だと思いますが、子供の性格に合った子育ての方法については、カウンセリングの中でお答えさせて頂きます。

お子さんについてのことをたくさん話して頂ければ、その子の気質は予測できますので、それにともなったお話しをさせて頂けると思います。

 

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