お父さんと子育てとは

子育ては母親に任せきりではダメ!

子育てにおいてお母さんの役割というものはある程度わかりやすく、それに比べてお父さんの役割は分りにくいと感じる人は多いのではないでしょうか?
『子供のことは妻にまかせてある』というお父さんがいるのも上記のようなことが理由の1つであると思います。

お母さんの役割がわかりやすいのは、まず出産、育児中に母乳を与えるなど、子供の生命に関わる重要な部分が女性にしかできないことであるからです。
赤ちゃんは女性から生まれますし、赤ちゃんも本能で母親の必要性は感じていて母親に愛着を示すということも幼少期に母子が一緒にいる時間が長くなる要因であるため、母親の役割はある程度明確になりやすいのですが、その反面父親の役割がわかりにくくなっているので、子育ては母親に任せているということになりやすいのですが、男性と女性に違いがあるからこそお父さん特有の役割があり、お父さんはそれを果たしていくことが必要なのです。

お父さんの役割とは

お母さんの良き相談相手となり、役割を確かめ合う

夫として妻の話を聴くということも必要ですが、お父さんという立場で妻のお母さんとしての苦労をよく理解すること、そして親としてのそれぞれの役割を確かめ合っておくことが必要です。
家庭の土台は夫婦ですので、夫婦間の信頼関係、意思疎通が以下の内容を実行するための要にもなるのです。

お父さんは社会との接点

お父さんの存在は、まだまだ世の中のことをよく知らない子供たちにとっては社会との接点です。
女性は、妊娠、出産、育児と仕事から離れることになるので、ずっと仕事を通じて社会とつながっている男性が子供に社会との接点として、さまざまな情報を与えていくことが必要です。

子供に伝えるべき情報は、社会のルールはもちろん、楽しさ、厳しさ、危険、社会の仕組みなどさまざまです。
しつけや遊びなど子供との交流の中で、社会との接点としてさまざまな情報を子供に伝えて下さい。

妻の話、愚痴をよく聴く

妻の話を相手の話を否定せず、指示せず、共感を示しながら聴ける夫になって下さい。
これは、夫の役割としても重要ですが、夫が妻の話を聴くことによって妻の心が安定することで、妻の子育てで受けているストレスを軽減してあげることにもなります。
妻が、お母さんとして子供たちと接する時に、できるだけ穏やかで冷静な状態で接することができるように、話を聴いてあげて下さい。

ちなみに話を上手に聴くコツは、相手の話にしっかりとリアクションをしてあげることです。いいアドバイスや考え方を変えてあげる必要があると思うと話を聴くことにプレッシャーが生まれることもあるので、女性の話はリアクションをしてじっくり聴いてあげて下さい。

家庭のルールブックになる

社会に出た時に、社会に適応して生きていくために社会規範を守れるように子供を育てることが親の役割ですが、そのための明確なルールを示していくことがお父さんの役割です。

お父さんは、明確で一貫したルールを家庭内で示し続けて下さい。

お父さんの示すルールは、時と場合によって変わってしまい、矛盾するような内容を子供に伝えてはいけません。子供が混乱しないよう、このルールは絶対だと思えるほど明確で一貫したルールを提示するのです。

子供の成長に合わせてルールが変わっていくことはありますが、親の感情や都合で矛盾するルールを子供に伝えてしまうと、子供は父親を信頼しなくなってしまいます。

お母さんは、お父さんのルールを支持する

お母さんは、お父さんの示すルールを支持して下さい。
お父さんの示すルールを子供たちが理解して守っていくかどうかは、お母さんの態度に掛かっています。

子供と接する時間の長いお母さんが、お父さんの示すルールを支持しなければ、子供達はそのルールが重要なものであるとは思いません。
お父さんの存在感を高めるのはお母さんの役割です。

子供とたくさん遊ぶ

外で遊ぶにしても、家の中で遊ぶにしても、お父さんとしてたくさん子供と遊んで下さい。
遊びは子供の知能、身体能力の発達を促します。
また、年齢が大きくなるにつれて遊びの中でルールを守ったり、譲り合ったりする大切さを学びます。

さらに楽しさ、驚き、感動などを感情を刺激されることで、ストレス耐性も強くなります。
子供の頃に遊びを通じて心を満たす体験をさせておくことで、大人になった時にストレスを上手く発散できるようになるのです。

子供にとって乗り越えたい存在でいること

子供にとってお父さんの存在は大きく、子供はお父さんを尊敬したいと思っています。
そのため、何か尊敬してもらえる部分を持ち、お父さんのようになりたい、乗り越えたいと思ってもらえる存在でいる努力をして下さい。

例えば、いつも本を読んで勉強をしている、体を鍛えている、習い事の先生をしている、お母さんに優しい、お母さんから頼りにされている、など、日常の生活の中で尊敬される要素はたくさんあります。
特別なことができるお父さんである必要があるのではなく、何かを継続していたり、社会にわかりやすい形で貢献していたり、子供が大好きなお母さんを大切にするなどでいいのです。

時々、上手く子供に負けてあげる

子供からすると、体が大きく、力も強い、そして家族が生活するお金を稼いできているお父さんの存在は非常に大きいのです。
そう簡単に乗り換えられる壁ではありません。
しかし、そのお父さんに何かで勝てたりするととても嬉しくなり、自分に誇りが持てるようになります。
お父さんに勝ったという体験が自尊心を育むのです。
トランプやかるた、バトミントンやかけっこなど何でもいいので、遊びの中で上手に子供に勝たせてあげて下さい。
内容によっては、子供に本当に負けてしまうようになることもあるので、その時は褒めて上げて下さい。

重要なのは、まず尊敬をされるお父さんであること、しつけやあそびなど子育てに参加していることが前提です。
子供から尊敬と愛着をしっかりと受けている上で、そのお父さんを上手に乗り越えさせてあげるということが重要です。

論理的、建設的な考えを示していく

個人差はありますが、女性は感情的に物事を判断する傾向は、男性に比べて多いと言えます。
特にわが子のこととなると、子供の心境や状態に対してまるで自分のことのように感情が揺れ動いてしまいます。
そのため、女性は子供の成長に合わせて、子供との精神的な距離感を変化させていくことが難しいのです。

そこでお父さんの出番です。
子供とお母さんの関係を良く把握しつつ、論理的かつ建設的な考え方を持って子供に何かを教えたり、子供の相談に対して考えを示して下さい。

子供が小学校になると人間関係も広がり、お父さんやお母さんの意見を必要とします。
お母さんはどうしても自分の子供を擁護し過ぎたり、過剰な心配をしてしまう傾向があります。
そんな時、お母さんだけでなく、お父さんの考えも子供に伝えて子供が論理的に物事を捉え、建設的に対処していく力をつけられるよう援助してあげることもお父さんの役割です。
さらにそのことにより、適度に子供とお母さんの間に割って入り、子供の母親からの精神的自立を促していくことができるのです。

方針は同じ、意見は違ってもいい

子育ての中では、お父さんとお母さんの意見が食い違うこともあると思います。
お父さんとお母さんが違う意見を子供に言うといけないという意見もありますが、食い違ってはいけないのは子育ての方針、価値観です。
それは、子供のいないところでしっかり話し合っておくことが必要ですが、さまざまな出来事や子供からの質問に対する答えは、お父さん、お母さんでそれぞれの意見を伝え
ても構いません。

良くないのは、片方の意見を批判することや意見が違うということで子供の前で喧嘩をすることです。
意見は違うけど、違う意見を尊重できる姿や意見が違っていても喧嘩をせずに話し合う姿を子供に見せてあげることで、子供に人はいろいろな意見を持ってもいいということが
伝わります。
さらに子供が、お父さんとお母さんのどちらの意見を参考にするのか、良く考えて選択することによって思考力も鍛えられます。

子供が迷った時、悩んだ時に相談したい存在でいること

子供の年齢が上がるほど、本人たちが抱える悩みは大きく、深くなっていきます。
人生の重大な決断を迫られるターニングポイントを迎えることもあるでしょう。

そんな時、子供にとってお父さんが心から尊敬でき、信頼して相談できる存在であるなら、それは心強く幸せなことです。

子供が小さいころから担っていくお父さんの役割は、子供が大人になってからのお父さんという存在の大きさに関わってきます。
小さいころからの関係性が、大人になってからのお父さんの存在感を作っていくのです。

仕事が忙しくても、しっかりと役割を果たしていく男性によって仕事は家族を守っていくためにも重要であり、それもお父さんとしての役割です。
しかし、仕事が他の役割を果たさない言い訳になってしまってはいけません。

社会に出てたくさんの経験を積んでいるお父さんだからこそ、子供はお父さんの力を必要とするのです。
そのため、子供が安心して頼ることのできる尊敬できる存在としてあり続けることがお父さんの使命なのです。

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