隠れたがり屋と目立ちたがり屋

他人の視線を強く意識してしまうという人がいますが、
そういう人は概ね他人の視線から隠れたり隠れたがり屋、
もしくは、他人から注目を浴びたい目立ちたがり屋の人が多いです。

前者は、そもそも他人の視線に対して多少のストレスを感じますが、
後者は自分にとって都合のいいことで視線が集まることは嬉しいと思っています。

ただ、隠れたがり屋も目立ちたがり屋も、ストレスを蓄積して精神状態が悪くなると
他人の視線が強いストレスになってきます。
精神状態が悪くなると、実際は他人は自分のことをそんなに意識していなくても、
自意識が過剰になってしまい、『どう思われているんだろうか?』、
『どんな風に思われいるのか?』と不安に思うようになるのです。

このような状態が悪化してしまうと、人の視線を浴びることが過度のストレスになるので、
外出することが嫌になり、仕事や学校に行くことができなくなります。
また、他人と接点を持つと、その後で『どう思われただろうか?』、
『変なことを言わなかっただろうか?』と不安になってひどく思い悩んでしまいます。

このような状態を対人恐怖症というのですが、対人恐怖症のいろんなパターンの中でも、
人の視線を強く意識する状態を他者視線恐怖症といいます。

他者視線恐怖症とは

他者視線恐怖症は、対人恐怖症の中の視線恐怖症の一種です。
人の視線が気にするあまりに、外を歩いていると人の視線が気になって辛い、
行動やコミュニケーションがぎこちなくなって、
他人とうまく関係性を築けないという悩みに繋がります。
日本では他者視線恐怖の人は多く、カウンセリングの相談内容の中でも比較的多いと思います。

日本人に他者視線恐怖の人が多い背景には、昔から村社会というものがあり、
その秩序を維持するために恥とか見栄といった形で、
他人の視線を気にして行動することを求められてきたという伝統があると言われています。
このような文化的な背景から生じる心の病のことを文化依存症といいますが、
他者視線恐怖症は対人恐怖症であると同時に文化依存症であるということも言えます。

他者視線恐怖症になりやすい人は、隠れたがり屋と目立ちたがり屋のだと説明しましたが、
他者視線恐怖症になりにくい人もいます。
それは他人の視線があまり気にならないという人たちです。

誰もが多少は他人の目を気にしていると思われるかもしれませんが、
隠れたがり屋と目立ちたがり屋のではない人は、あまり他人の視線を気にしていません。
そのため、例えば隠れたがり屋が気にしない人に他人の視線が気になると相談しても
「あまり気にしない方がいいよ」と言われてしまうのです。

「視線が気になる感覚」このストレスから回避するヒントはあります。

隠れたがり屋も目立ちたがり屋も他人の視線を気にする感覚は、
生まれつき持っている感覚なので変えることはできません。
一生隠れたがりと目立ちたがりで生きていくしかないのです。

しかし、他者視線恐怖症のままでいなければいけないということではありません。
その性格を持ったままで他人の視線から生じるストレスから
身を守りながら生きていくためのヒントはあります。

隠れたがりの人は、無理に目立たないように生きることと、

現実と自分の行動を大切にして生きることです。
無理に人の視線を集めることをせず、自分の目の前の現実を重視して
想像だけを行動の基準にしないことが大切です。

目立ちたがりの人は、自分が目立てる場所を見つけて目立った方がいいです。
ただ、目立ちたがり屋は、自分に自信が無いと他人の視線が怖くなる傾向にあるので、
自分に自信をつけるための努力は必要です。

カウンセリングでは、生まれつき性格をもとに適切なアドバイスも行っていきますので、
人の視線が気になって仕方がない、人の視線を気にして
生活しずらいという方は相談にお越しください。

 

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