こんにちは。AXIAの阪田です。

心理学の世界で「パヴロフの犬」という学習理論があります。
耳にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか!

「イヌにベルを聞かす→エサを与える」を繰り返していると
ベルを聞かすだけでよだれを垂らすようになる。
いわゆる、条件反射の実験です。
学習理論での基本的な様式で「古典的条件づけ」と言います。

条件反射に代表する古典的条件づけは誰もが日常で体感している事でしょう。
しかし人間の学習は条件反射だけでは事足りず、
自発的な行動を伴って学習していく必要があります。
これを「オペラント条件づけ」と言います。

このオペラント条件づけの理論をもとに子育てと絡めて考えてみようと思います。

「自発的な行動を伴って」とはどういうことなのか!
要は行動(経験)して結果を目の当たりにして学習していくという事です。

■ 自発的な行動をした結果、望ましい事になる・・・強化
■ 自発的な行動をした結果、望ましくない事となる・・・

人は強化と罰を経験しながら成長していきます。
では、子育ての場面を例に説明してみます。

(正の強化)頑張って勉強した・・・母親に褒められた
(負の強化)薬を飲んだ・・・痛みがなくなった
(正の罰) ふざけた事を言う・・・怒られる
(負の罰) いじわるをする・・・おやつがもらえなくなる

この4つの強化の罰を繰り返す事が、子どもの自己肯定感と忍耐力を鍛える事になり、
いわゆる「しつけ」となります。
何をする事が・何を言う事が正しいのか悪いのかを、子どもの自発的な行動に応える事で、
子どもたちは自然と学習しているのです。

ただ、これは自発的な行動がある事が前提となります。
自発的な行動に導く方法としてシェイピングという手法があります。

たとえば前述の(正の強化)の自発的な行動にあたる
「頑張って勉強した」に導く手法として、
「子どもの興味のある映像を見せる」→「その資料を買い与える」→
「知識ある先生に教わる」。

「頑張って」を目標とするのであれば、スタートをハードルの低いものから
順を追って高めていくというものです。

今回は心理学の専門的な表現を使って子育てを解説してみましたが、
心理の世界はカウンセラーのような専門的な分野のみに必要なものではなく、
子育てや後輩指導などにも、ぜひ置き換えて考えてみてはいかがでしょうか!

最後に

今回ご紹介した「条件付け」の学習理論は様々な領域で活用されています。
行動療法はその代表例ともいえるでしょう。
行動療法は不安障害、パニック障害などの精神疾患に対する最善の治療方法だと
提案されており、また不登校の問題を持つ児童の支援としても活用されています。

↓より専門的な知識を紹介しています。ぜひ併せてご覧ください
「行動主義心理学と条件付け」

 

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