忍耐力の重要性

忍耐力を育てることは、自尊心を育てることと同じで、子育ての重要課題の一つです。

忍耐力を育ててもらうことなく大人になってしまうと欲求や衝動を抑えることが困難に
なり、ギャンブル、アルコール、買い物、性などの依存症になる可能性が高まります。
また、忍耐力の弱さは、暴力行為や犯罪行為につながることもあります。
子供の将来のために忍耐力をしっかりと育ててあげましょう。

人間の本能と忍耐力

実は、他の動物に比べて人間は本能が壊れていると言われています。

人間は、子孫を残す目的以外にセックスをする、特殊な性嗜癖を持つ、見た目の良さのため
に食欲を抑えたり、仕事のために睡眠を削ったりと、自分の健康や生命を保つこと以外の
目的を優先したりします。
動物の行動はいたってシンプルで、大雑把に言えば食べて、寝て、子孫を残す、ということ
がメインです。

人間は、自己顕示欲、承認欲、金銭欲、社会貢献欲なども持っており、3大欲求よりも
これらの欲求を優先した生活をしている人もたくさんいます。
さらに上記の欲求が3大欲求と重なってさまざまな行動を生むので、度が過ぎる行動や他人
に権利や安全を脅かしてでも自分の欲求を満たすような行動を取ることもあります。

人間の欲求は、動物に比べると限りがないので忍耐力を鍛え、しっかりと抑制できるように
なれなければ、人間の社会で自分と他人の健康や安全、権利や尊厳を大切にしながら生きて
いくことが難しくなるのです。

忍耐力を育てる方法

忍耐力を育てる方法はいたってシンプルです。
欲求を抑えて耐える時には耐えるということです。

人間の脳は、良くも悪くも癖がつく臓器であり、依存症というのは欲求が高まった時に
欲求を満たすための行動をするという癖がついているのです。

刺激 ⇒ 欲求 ⇒ 行動

欲求が刺激されて行動が生まれる流れは、シンプルにすると上記のような流れになります。

依存症というのは、最後の行動のところが欲求を満たす行動になり、刺激を受けるとかなり
高い確率で条件反射としてその行動を起こしてしまう状態のことを言います。

忍耐力を鍛えるためには、最後の行動のところで欲求を耐え忍ぶという行動を選択する必要
があります。
その耐え忍ぶ行動を何度も続けることで、刺激を受けたら欲求が生じても耐え忍ぶことが
条件反射として行動化されるようになります。

さらに忍耐力を養う上で大切なことは、欲求を適度に満たす機会も作るということです。
例えば、子供がお菓子を食べたいと言った時、我慢することだけを求めるのではなく、
時間や量を決めて食べるようにする。
決められた量を食べて、ほどほどに欲求を満たした後にもう少し食べたい気持ちを抑えて
それ以上食べないようにする。
 
この欲求を満たす時、耐える時を経験することで、欲求を抑え込む抑圧ではなく、満たす時
は満たし、適度に満たしたら耐える、時と場合によっては耐えるという欲求をコントロール
する抑制を意思によって行える力が忍耐力です。

その忍耐力を養うためにルールを作ったり、しつけをすることが子育てで必要なことなの
です。